【 従業員との契約解除 】従業員と同意解約をする具体的な方法を解説!

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雇用のトラブルを解消したい・・・

会社経営をしていく上で、雇用主と従業員の間でトラブルが出てくることは多くあります。

そんなときに、雇用を解除していこうと考えた際にはいくつか手段があります。

合意解約は双方の話し合いによって進めていけるため、適切な手順に沿って進めていくことが大切になります。今回は、合意解約について詳しく解説していきます。

合意解約とは?

合意解約とは、会社と従業員の双方の合意により労働契約を終了させる方法です。
これは一般的に「退職勧奨」と呼ばれる手続きの一形態であり、会社が退職を勧め、従業員がこれに応じることで成立します。

従業員と契約を解除する選択肢

  • 辞職:労働者からの一方的な退職の申出(民法627条)。
  • 解雇:会社からの一方的な雇用契約の終了通知。合理性・社会的相当性が必要。
  • 合意解約(退職勧奨):会社が退職を勧め、従業員が同意することで成立。

表でそれぞれを確認

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項目辞職(労働者からの一方的解約)解雇(使用者からの一方的解約)合意解約(合意退職)
だれが言い出すか労働者使用者労使双方(話し合い)
相手の承諾不要
(意思表示の到達で足りる)
不要だが厳格な制限・手続必要
(承諾が到達して成立。承諾前は撤回可)
予告・効力無期は「到達から2週間」で終了が原則30日前予告か30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要退職日は合意で自由に設定
有期契約中原則できないが「やむを得ない事由」で直ちに可能原則期間満了まで不可
(やむを得ない事由がなければ×)
双方が合意すれば可
失業給付の扱いの一例原則自己都合会社都合退職勧奨に応じた場合は「自己都合ではない」とされる(実務上会社都合扱い)

合意解約の進め方と注意点

合意解約(退職勧奨)の注意点

  • 自由意思の尊重
    • 退職勧奨は「合意解約」として成立するため、従業員の自由意思が不可欠です。
    • 執拗な勧奨や強圧的な言動は「退職強要」と評価され、違法とされるリスクがあります。
  • 書面による明確化
    • 退職日・退職理由・未消化有給・退職金の有無など、条件を退職合意書に明記することが重要です。
    • 書面に「自由意思による合意である」ことを明示しておくと紛争防止に有効です。
  • 意思表示の真実性
    • 「辞めてやる」といった一時的な感情の発言は、真意に基づく確定的な意思表示とは認められません。
    • 本人の冷静な判断に基づく合意が必要です。
  • 瑕疵ある意思表示の無効
    • 錯誤・詐欺・強迫があった場合、意思表示は無効または取り消し可能です。
    • 実態が「自主退職に見せかけた解雇」であれば、無効とされる危険があります。

判例紹介

下関商業高校事件(最二小判 昭和55年7月10日 労判345号20頁)
・会社が執拗に退職を迫り、労働者の精神的自由を侵害したケース。
・裁判所はこれを違法な退職強要行為と認定し、使用者に損害賠償責任を負わせました。

社会保険労務士からのアドバイス

合意解約(退職勧奨)は、解雇と比べてトラブルになりにくい方法ですが、自由意思を欠いた場合は違法と判断されるリスクがある点に注意が必要です。必ず書面を残し、条件を明確にすることで、後の紛争を防ぎましょう。

雇用トラブルは会社経営上つきものです。今回ご紹介した内容を進めていくには、準備が必ず必要です。闇雲に進めるのではなく、手順を踏んでしっかりと行うようにすることが大切です。

雇用に関する悩みや解消したい事案などございましたら、さいたま市の社会保険労務士渡邉事務所へ気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

社会保険労務士 渡邉事務所
渡邉拓弥

渡邉事務所代表。さいたま市を中心に助成金申請・労務管理・就業規則・障害年金など中小企業をサポート。

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