社労士の必要性は会社の状況で決まる?

多くの社長が一度は考えるテーマです。できることなら固定費は増やしたくない。自分でできることは自分でやりたい。最近はインターネットで調べれば、ある程度の情報も出てきます。だからこそ、顧問契約の必要性を疑うのは自然な感覚です。
しかし一方で、労務トラブルが起きた瞬間に慌てて相談されるケースも少なくありません。相談のタイミングが遅れただけで、余計なコストやトラブルが膨らんでしまうこともあります。ここでは、社労士顧問が必要な会社と、必ずしも必要ではない会社について、現役社労士ができるだけ正直にお伝えしたいと思います。
社労士が必要ない会社とは
まず、必ずしも顧問が必要でない会社について考えてみましょう。従業員がいない、あるいは家族だけで経営している場合は、社会保険や労働保険の手続きもほとんど発生しません。働く人と経営者の関係も、外部との雇用関係とは性質が異なります。また、従業員が一人だけで、残業もほとんどなく、勤務形態もシンプルな場合には、手続き中心のスポット依頼で十分に対応できるケースもあります。開業直後で資金に余裕がない場合も、最初はスポットで様子を見ながら、必要性を感じたタイミングで顧問を検討する方法もあります。
個人事業主の方も基本的には必要ない場合が多いです。ただ、個人事業主の方で従業員を雇用するケースもありますので、一概に不要となるわけではありません。
社労士が必要な会社とは

では、逆に社労士顧問が必要になりやすい会社はどのような会社でしょうか。
社労士が必要なケース①
従業員が増え始めた会社です。人が増えれば、考え方も働き方も多様になります。残業、休暇、遅刻、早退、退職、採用条件のトラブルなど、これまで起きなかった問題が一気に表面化してきます。制度が追いついていない状態で進めてしまうと、後からまとめて是正を求められる可能性があります。
社労士が必要なケース②
固定残業代やシフト勤務、変形労働時間制など、少し複雑な勤務形態を採用している会社です。制度自体は合法でも、運用を誤ると無効と判断されることがあります。結果として、過去の残業代を遡って支払うことになったり、労働基準監督署に是正指導を受けることもあります。制度を導入する際だけでなく、運用を続ける中で定期的に見直すことが大切です。
社労士が必要なケース③
助成金を積極的に活用したい会社です。助成金は会社にとって貴重な資金ですが、要件を満たさなければ受給できません。さらに、書類の整備や就業規則の内容、労務管理の実態が一致していない場合、不支給や返還という結果にもつながります。申請そのものよりも、日々の労務管理体制を整えることが重要であり、その伴走役として顧問社労士が力を発揮します。
社労士が必要なケース④
トラブルが起こった経験がある会社です。いきなり辞めてしまった、無断欠勤が続いた、突然労基署から連絡が来た。こうした出来事が一度でもあると、「事前に相談しておけばよかった」と感じる社長は少なくありません。トラブルは起こってから対応するより、起こらない仕組みを作る方がはるかにコストが低く済みます。
実際に社労士は何をしているの?

では、社労士顧問は何をしているのか?という疑問を持つ方もいらっしゃると思いますので詳しくご紹介していきます。

社労士は、ただ書類を作る業務だけではありません。
日常的に発生する小さな相談に応じ、リスクが芽になる前に摘み取ります。
就業規則や労務体制を会社に合わせて整え、法改正や助成金の情報を先回りでお知らせします。
もしトラブルが発生した場合も、証拠の残し方や適切な手順を一緒に整理し、最悪の事態に向かわないようサポートします。
顧問料は決して安いものではありません。しかし、人件費の計算ミス、解雇トラブル、未払い残業代、助成金の不支給などで発生するコストと比べると、予防のための費用は大きくありません。社長一人がすべてを背負い込まず、専門家と分担することで、本業に集中できる時間も増えます。
社労士顧問は、誰にでも必要なものではありません。
けれども、人を雇い、組織として成長していきたい会社にとっては、将来のトラブルを防ぐための大切なパートナーになります。いま顧問が必要かどうか迷っているのであれば、一度現状を整理してみることから始めてみてください。必要であれば顧問を、まだ早いのであれば別の形をご提案します。大切なのは、会社に合った選択を一緒に考えることだと考えています。
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