そう考えている社長に聞いてみたいことがあります。
給料でしょうか。通いやすさでしょうか。一緒に働く仲間でしょうか。
「たぶん、こうだと思う」ではなく、本人の口から聞いたことはあるでしょうか。
採用がうまくいかないと、給料や休日、求人媒体に目が向きます。もちろん、どれも見直しが必要なところです。
ただ、その前に確認したいのが、社長自身が自社の魅力を把握しているかということです。
知らないものを、求人で伝えることはできません。
今回は、スタッフの声から自社の魅力を見つけ採用に生かす方法についてお伝えします。
01.「うちには魅力がない」と決めていませんか?
給料は高くない。休みも多くない。立派なオフィスがあるわけでもない。
他社の求人を見れば、自信をなくしてしまうこともあるでしょう。
しかし、それだけで「うちには魅力がない」と結論を出すのは、少し早いと思います。
例えば、
- 仕事で失敗したとき、頭ごなしに叱るのではなく、一緒に対応を考えている。
- 子どもの急な発熱があれば、周りで仕事を調整している。
- 未経験で入った方に、繰り返し仕事を教えている。
社長にとっては「普通のこと」でも、働く人にとっては、ありがたいことかもしれません。
反対に、社長が自慢に思っている制度が、従業員にはあまり使われていないことも考えられます。
まずは、働いている人が何を感じているのかを知る必要があります。
02.社長が聞きたい答えを、求めていないか
従業員に聞くときにも、少し注意が必要です。
この聞き方では、違うと思っていても答えにくいでしょう。
知りたいのは、社長の考えが正しいかどうかではありません。従業員が実際にどう感じているかです。
そこで活用したいのが、スタッフアンケートです。
「今後の採用で、職場のことを正しく伝えたいので協力してほしい」と目的を説明したうえで、例えば次のように聞いてみます。
- この会社に応募したきっかけは何でしたか。
- 最終的に、入社を決めた理由は何でしたか。
- 働いてみて、よかったと感じたことはありますか。
- 入社前に知っておきたかったことはありますか。
- この会社を知人に紹介するとしたら、どんな職場だと伝えますか。
最後の質問は、「自社の魅力を書いてください」では出てこない言葉を聞くためのものです。
03.「家が近いから」も、立派な応募理由
回答を見て、少し拍子抜けすることもあるかもしれません。
- 「家から近かったから」
- 「勤務時間が希望に合っていたから」
- 「面接で話しやすかったから」
社長としては、経営理念や事業の将来性に共感してほしかったと思うかもしれません。
しかし、その答えを軽く扱わないでいただきたいのです。
働く人にはそれぞれの生活があります。
通勤時間を短くしたい。家族と過ごす時間を確保したい。分からないことを相談できる職場で働きたい。
そうした希望に、自社の環境が合っていたのであれば、それは採用で伝えられることです。
04.「人間関係がいい」で、話を終わらせない
アンケートに「人間関係がいい」と書かれていたら、もう一歩聞いてみてください。
例えば、次のような話が出てくるかもしれません。
- 「忙しそうな人がいると、周りから声をかけています」
- 「分からないことを聞いても、嫌な顔をされません」
- 「失敗したとき、責めるより先に対応を考えてくれます」
ここまで聞ければ、職場の様子が見えてきます。
求人にも、ただ「人間関係が良好です」と書くより仕事中にどう助け合っているのかを説明した方が伝わるでしょう。
「働きやすい」「風通しがいい」「成長できる」。こうした言葉を使うときはその根拠になる出来事まで聞いてみてください。
05.採用ブランディングは、見栄えを整えるだけではできない
採用サイトを作る。写真を撮る。かっこいいキャッチコピーを付ける。
どれも会社を知ってもらうための手段ですが、伝える中身が曖昧なままでは、何を印象に残したいのかも定まりません。
例えば、スタッフの声から「未経験でも質問しやすい職場」という特徴が見えてきたとします。
それなら、
- 求人では教育の流れを書く。
- 採用サイトでは、未経験で入った先輩が何に苦労し、どう仕事を覚えたかを紹介する。
- 面接では、入社後に誰が教えるのかを説明する。
そこまで伝われば、応募者も「自分が入ったら、こう働くのだろう」と考えられます。
この会社は、どんな考えで人を育て、どんな働き方を大切にしているのか。
06.厳しい声が出たときこそ、社長の姿勢が問われる
アンケートでは、耳の痛い意見が出ることもあるでしょう。
- 「教える人によって、言うことが違う」
- 「休めると言われたけれど、実際には言い出しにくい」
- 「社長に相談したくても、いつも忙しそう」
そこで「誰が書いたんだ」と回答者を探したり、否定したりしてしまえば次から率直な声は聞けなくなります。
採用でよく見せるためにアンケートを取ったとしても、現場から課題が出たのであれば、向き合う必要があります。
すぐに直せることは直す。難しいことは、その理由と今後の対応を伝える。
まとめ|社長が気付いていない魅力を、そのままにしない
自社の魅力を聞かれたとき、社長は何と答えるでしょうか。
その答えは、従業員が感じていることと合っているでしょうか。
採用のために、新しい制度や特別な福利厚生を用意する前に、今いる人が何を評価し何に困っているのかを聞いてみてください。
そこで見つかったよさを求人で伝え、足りないところは改善する。採用と定着の両方を考えるうえで、取り組んでいただきたいことです。
さいたま市にある社会保険労務士 渡邉事務所では、中小企業の採用・定着に関するご相談にも対応しています。
- 「自社の強みが分からない」
- 「スタッフの声を、求人にどう生かせばよいか分からない」
そうしたお悩みがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。
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