このような悩みを抱えている中小企業の経営者や採用担当者は少なくありません。
応募が来ないと、求人広告の掲載先を変えたり、広告費を増やしたりすることを考えがちです。しかし、求人の内容や労働条件に問題がある場合、掲載先を変えるだけでは状況が改善しないこともあります。
自社の求人を求職者の立場から見直すことです。
今回は、求人を出しても応募が来ない会社が確認しておきたい5つのポイントをご紹介します。
01 採用したい人物像が明確になっているか
求人を作成する際、最初に確認したいのが「どのような人に応募してほしいのか」という点です。
よくある記載例
「未経験者歓迎・経験者優遇・年齢不問・やる気のある方大歓迎」
一見すると、幅広い人材を募集できる内容に見えます。しかし、これだけでは、どのような仕事を任されるのか、自分にもできる仕事なのかが分かりません。
まずは、採用したい人材について具体的に整理してみましょう。
- 入社後、どのような仕事を担当してもらうのか
- 業務に必要な経験や資格は何か
- 未経験者の場合、どのように仕事を覚えてもらうのか
- 現在活躍している社員には、どのような共通点があるのか
例えば、未経験者を採用したいのであれば、「未経験者歓迎」と書くだけでなく、入社後の教育体制まで伝えることが大切です。
このように記載すれば、経験がない方でも入社後の働き方を想像しやすくなります。
なお、採用する人物像を考える際は、年齢や性別などの属性ではなく、業務に必要な能力や経験を中心に整理することが重要です。
02 給与や休日などの労働条件が他社と比較されているか
求職者は、1社の求人だけを見て応募を決めるとは限りません。同じ地域、同じ職種の求人を比較しながら、応募先を検討することもあります。
そのため、自社の求人条件だけを見て「この給与なら十分だろう」と判断するのではなく、周辺企業の募集条件を確認することが大切です。
| 項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 月給 | 22万円 | 23万円 |
| 年間休日 | 105日 | 120日 |
| 残業 | 月平均20時間 | 月平均5時間 |
| 教育体制 | 記載なし | 入社後研修あり |
※比較のための架空の例です。
A社の給与が必ずしも低すぎるわけではありませんが、求職者がB社に関心を持つ可能性は考えられます。
だからといって、すぐに給与を引き上げる必要があるとは限りません。自社には、転勤がない、資格取得を支援している、勤務時間の相談ができるなど、別の魅力があるかもしれません。
まずは同業種・同職種・同地域の求人を複数確認し、自社の条件がどのように見えるのかを把握しましょう。
そのうえで、改善できる条件と、求人原稿で十分に伝えられていない魅力を整理することが重要です。
03 仕事内容が具体的に伝わっているか
求人原稿でよく見られるのが、仕事内容の説明が短すぎるケースです。
改善前
「一般事務業務全般をお任せします」
改善後
「主に請求書の作成、データ入力、電話対応を担当していただきます。請求書は専用システムを使用して作成します」
「一般事務業務全般」だけでは、電話対応が中心なのか、データ入力が中心なのか、専門知識が必要なのか分かりません。求職者にとって、入社後の仕事内容が分からないことは、応募をためらう理由の一つになります。
仕事内容を記載する際は、実際の業務をできるだけ具体的に説明しましょう。
さらに、1日の仕事の流れや、入社後に任せる業務の順番などを記載すると、働く姿をより具体的にイメージできます。
求人原稿は、会社が伝えたいことを並べるだけでは十分ではありません。求職者が応募前に知りたいことを、分かりやすく伝えることが大切です。
04 求人媒体や応募方法に問題はないか
求人原稿を改善しても、そもそも求職者に見てもらえていなければ応募にはつながりません。
まずは、現在利用している求人媒体が、採用したい人材に合っているか確認しましょう。例えば、地域密着型の採用を考えている会社と、専門資格を持つ経験者を全国から募集したい会社では、適した募集方法が異なる場合があります。
また、求人が閲覧されているにもかかわらず応募が少ない場合は、応募方法にも目を向ける必要があります。
「応募するには電話連絡が必要」「応募前に複数の書類を準備しなければならない」など、応募までの手続きが負担になっていないでしょうか。
ただし、応募しやすくすることだけを優先し、選考に必要な情報まで省いてしまうのは適切ではありません。必要な情報は確保しながら、求職者にとって負担の少ない応募方法を検討しましょう。
05 求人を掲載した後、効果を確認しているか
求人は、一度掲載したら終わりではありません。応募が来ない場合には、どの段階で問題が生じているのかを確認する必要があります。
求人タイトル、掲載媒体、検索されやすい職種名などに問題がある可能性があります。
給与・休日などの条件、仕事内容の伝え方、応募方法を見直す必要があります。
求人媒体によって確認できる項目は異なりますが、可能であれば、閲覧数・応募数・面接数・採用数を記録しておくとよいでしょう。
また、求人を修正する際は、一度にすべてを変更するのではなく、改善する項目を整理して取り組むことをおすすめします。
例えば、仕事内容の説明を充実させた後に応募状況を確認し、改善が見られなければ給与や休日などの条件を再検討するといった方法です。
採用活動を担当者の経験や感覚だけに頼らず、結果を確認しながら改善していくことが重要です。
まとめ|求人広告を増やす前に、自社の求人を見直しましょう
求人を出しても応募が来ない場合、広告費を増やしたり、新しい求人媒体を利用したりすることが必ずしも解決策になるとは限りません。
まずは、今回ご紹介した5つのポイントを確認してみてください。
- 採用したい人物像が明確になっているか
- 給与や休日などの労働条件が他社と比較されているか
- 仕事内容が具体的に伝わっているか
- 求人媒体や応募方法に問題はないか
- 求人掲載後の効果を確認しているか
採用活動では、会社が伝えたい情報と、求職者が知りたい情報が一致しているとは限りません。
自社では当たり前だと思っている教育体制や働き方が、求職者にとっては応募を決める重要な情報になることもあります。
まずは現在掲載している求人を見直し、求職者が安心して応募を検討できる内容になっているか確認してみましょう。
採用活動でお困りの企業様へ
社会保険労務士 渡邉事務所では、求人原稿の見直しをはじめ、採用活動の改善や入社後の定着に向けた支援を行っています。
求人内容だけでなく、給与・労働時間・休日などの労働条件についても、社会保険労務士の立場から確認し、企業の状況に応じた改善をご提案いたします。
「求人を出しているのに応募が来ない」「採用してもすぐに退職してしまう」といったお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
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