感情ではなく「手順」で会社を守る
遅刻が多い。
無断欠勤を繰り返す。
早退・欠勤理由が曖昧。
連絡がつかない。
このような「勤怠が乱れている社員」への対応は、多くの企業で頭を悩ませる問題です。
しかし、対応を誤ると、
・不当解雇と主張される
・未払い賃金トラブルになる
・ハラスメントと訴えられる
といった二次トラブルに発展する可能性があります。
重要なのは、感情で動かず、正しい手順で対応することです。
1|まずは事実を正確に把握する
最初に行うべきことは、「評価」ではなく「事実確認」です。
・遅刻の回数
・欠勤日数
・無断欠勤の有無
・連絡状況
・理由の一貫性
これらを客観的に整理します。
勤怠システムや出勤簿のデータを保存し、時系列で一覧化しておくことが重要です。
「いつも遅刻する」という印象ではなく、
「〇月〇日〜〇月〇日までに遅刻〇回」と具体化します。
2|初期対応は口頭注意+記録
いきなり厳しい処分を行うのではなく、まずは口頭で注意します。
その際、
・何が問題か
・今後どう改善してほしいか
・再発時の対応
を明確に伝えます。
そして必ず、面談記録を残します。
日時、出席者、指導内容、本人の発言を簡潔にまとめるだけでも十分です。
記録がないと、後で「そんな注意は受けていない」と言われる可能性があります。
3|改善機会を与える
一度の注意で改善しない場合は、書面での注意や指導書を交付します。
ポイントは、
・改善期限を明示する
・具体的な行動目標を示す
・再発時の対応を説明する
ことです。
例えば、
「今後1か月間、遅刻がない状態を維持すること」
「無断欠勤があった場合は懲戒処分の対象となること」
など、具体性が重要です。
ここでの目的は処分ではなく、あくまで改善です。
4|背景事情の確認も忘れない
勤怠不良の背景に、
・体調不良
・家庭の事情
・メンタル不調
・職場環境の問題
が隠れていることもあります。
一方的に責めるのではなく、事情を確認する面談も必要です。
ただし、事情があるからといって、無制限に勤怠不良が許されるわけではありません。
会社として配慮できる範囲と、業務上許容できない範囲を整理しておくことが重要です。
5|段階的な処分へ
改善が見られない場合は、就業規則に基づき段階的に対応します。
一般的な流れは、
注意
始末書
けん責
減給
出勤停止
最終的に解雇検討
という順序です。
いきなり解雇に進むと、無効と判断されるリスクが高まります。
重要なのは「段階を踏んだ対応」です。
6|無断欠勤が続く場合
連絡がつかない状態が続く場合は、
・内容証明で出勤要請
・就業意思確認
・一定期間経過後に退職扱いの検討
など、慎重な対応が必要です。
安易に「来ないからクビ」と判断すると、後にトラブルになる可能性があります。
7|やってはいけない対応
感情的な叱責
人格否定
給与の勝手な減額
証拠を残さない注意
これらは、逆に会社が不利になる行為です。
問題社員対応では、常に「第三者に説明できるか」という視点が重要です。
8|最終的に守るべきもの
勤怠が乱れている社員を放置すると、
・職場の士気低下
・真面目な社員の不満
・労務管理の形骸化
につながります。
一方で、拙速な処分は法的リスクを生みます。
だからこそ、
事実の記録
段階的指導
改善機会の付与
就業規則に基づく処分
この流れを守ることが、会社を守る最善策です。
社会保険労務士渡邉事務所では

社会保険労務士渡邉事務所では、問題社員対応について企業側の立場から実務支援を行っています。
勤怠不良への指導手順の整備
注意書・指導書の作成支援
懲戒処分の妥当性判断
解雇リスクの事前チェック
など、初期段階から最終対応まで一貫してサポートしております。
「この対応で大丈夫か」と迷った段階でのご相談が、最もリスクを抑えられます。
勤怠トラブルは、手順を誤らなければ防げる問題です。
冷静な対応体制を整えることが、企業防衛につながります。
サービスに関するご相談・お見積りのご依頼は
下記より気軽にお問合せください
- 遅刻や欠勤が多い社員はすぐに解雇できますか?
-
すぐに解雇するのは原則としてリスクがあります。まずは事実の記録、注意・指導、改善機会の付与といった段階を踏む必要があります。
- 口頭で何度も注意していれば十分ですか?
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不十分です。日時・内容・本人の反応を記録に残しておくことが重要です。記録がなければ、後に指導の事実を証明できません。
- 勤怠不良の理由が「体調不良」と言われた場合はどうすべきですか?
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一方的に否定せず、状況確認を行いましょう。必要に応じて診断書の提出を求めることも可能です。ただし、業務に支障が出ている事実は別途整理しておく必要があります。
- 無断欠勤が続いた場合はどう対応しますか?
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まずは連絡を試み、出勤意思を確認します。連絡が取れない場合は、書面で出勤要請を行うなど慎重に対応します。即時解雇は避け、手順を踏むことが重要です。
- トラブルを防ぐために企業が準備しておくべきことは何ですか?
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就業規則に懲戒規定を整備し、勤怠管理を正確に行い、指導記録を残す体制を作ることです。事前の仕組みづくりが最大のリスク対策になります。



