就業規則で最も重要な「懲戒規程」とは

知らないと経営に深刻な影響を及ぼすのが懲戒規程の不備です。
懲戒規程は、会社を守るための最後の防衛線とも言える存在です。
経営者にとって最も大きなリスクは、悪質な行為を行う社員であっても、感情論だけでは辞めさせることができないという現実です。これはアメリカなどと異なり、日本は雇用が守られやすいという点で経営者の目線から考えると不利とも言えます。
ですが、辞めさせることができない多くの原因は、懲戒規程が整備されていない、あるいは内容が曖昧で実務に使えないことにあります。

今回は、懲戒規定の部分だけにフォーカスして詳しく解説していきます。
経営者様は知っておいて損はありませんので、最後までチェックしてみてください。
懲戒規程が弱い会社に起こりやすい問題
懲戒規程が不十分な場合、次のような深刻なトラブルに発展する可能性があります。
- 社員が業務指示に従わない
- 法的根拠がないため、適切に指導できない
- 無断欠勤や遅刻を繰り返す
- 懲戒できず、給与を支払い続けるしかない
- ハラスメント行為が発生する
- 注意や指導が逆にパワハラ扱いされるリスクが高まる
- 情報漏洩や横領などの不正行為
- 損害賠償請求ができず、会社が一方的に不利になる
これらは決して良いとは言い難い内容ばかりです。規定を設けること=会社を守ることに同意儀となります。
解雇を検討したい場面
懲戒解雇が無効となり、逆に会社が賠償請求されるケースもあるので注意が必要です。
就業規則は「会社と社員の契約書」
就業規則は、会社と社員との間で交わされる重要な契約書です。
この中に懲戒に関する規定が明確に定められていなければ、会社は事実上、何も対処できなくなってしまいます。
経営を守る「使える懲戒規程」に必要な3つの要件


01.懲戒理由を具体的に明記すること
懲戒の対象となる行為は、できる限り具体的に列挙する必要があります。
- 正当な業務指示への不当な拒否
- 無断欠勤や虚偽報告
- 情報漏洩や社内情報の私的利用
- セクハラ、暴言、威圧的な言動
- 業務に重大な支障を与える行為
表現が抽象的すぎると、裁判などで無効と判断される可能性が高くなります。
02.懲戒処分の段階と適用基準を明確にすること
懲戒には段階的な処分が必要です。
- 注意・指導
- けん責
- 減給
- 出勤停止
- 懲戒解雇
段階性がない懲戒規程は、「処分が重すぎる」と判断され、無効になるリスクがあります。
03.調査・弁明・記録の手続きを明文化すること
懲戒を行う際には、必ず次の手順を踏む必要があります。ここは結構重要なポイントです。
- 事実関係の調査
- 本人への弁明機会の付与
- 指導や処分内容の記録



これらの手続きを規程に明記しておくことで、感情的な指導ではなく、ルールに基づいた対応であることを客観的に示すことができます。
手続き条文が特に重要な理由


手続きが規程に定められていない場合、会社の指導が「パワハラである」と主張されるリスクが一気に高まります。
一方、手続きが条文化されていれば、「ルールに基づく正当な指導」であることを証明でき、会社を法的リスクから守る大きな武器となります。
懲戒規程は「誠実な社員を守るための会社防衛」
懲戒規程を正しく整備することで、次のような効果が期待できます。
- 会社が安心して経営判断を行える
- トラブルの長期化を防止できる
- 判断基準がルールとして明確になる
- 不正行為や迷惑行為に毅然と対応できる
懲戒規程は、単に社員を縛るためのものではありません。
真面目に働く社員と、会社の健全な経営を守るための「盾」となる重要な仕組みです。









