※2026年9月4日更新
2026年度(令和8年度)の地域別最低賃金について、全47都道府県の改定額が出そろいました。
今年度も最低賃金は全国的に大きく引き上げられ、答申ベースでの全国加重平均は時給1,177円となりました。前年度の1,121円から56円の引上げとなります。
また、都道府県ごとの引上げ額は54円~65円となっており、すべての都道府県で最低賃金が引き上げられる予定です。
今回は、2026年度の最低賃金の改定状況と、会社が給与計算や賃金設定で注意したいポイントを解説します。
2026年度の最低賃金は全国平均1,177円へ
厚生労働省が2026年9月3日に公表した内容によると、47都道府県すべてで地域別最低賃金の改定額が答申されました。
今年度のポイントは次のとおりです。
- 全国加重平均:1,177円
- 前年度:1,121円
- 全国加重平均の引上げ額:56円
- 都道府県別の引上げ額:54円~65円
- 最高額:東京都1,280円
- 最低額:宮崎県1,085円
全国加重平均56円の引上げは、1978年度に現在の目安制度が始まって以降、2番目に高い引上げ額となっています。
2026年度 都道府県別 最低賃金一覧(答申状況)
2026年9月3日 厚生労働省公表 ※発効日は予定
| 都道府県 | 最低賃金 | 発効予定日 |
|---|---|---|
| 北海道 | 1,131円 | 10月1日 |
| 青森 | 1,090円 | 10月29日 |
| 岩手 | 1,090円 | 12月1日 |
| 宮城 | 1,098円 | 10月1日 |
| 秋田 | 1,090円 | 10月14日 |
| 山形 | 1,092円 | 10月30日 |
| 福島 | 1,094円 | 10月16日 |
| 茨城 | 1,136円 | 10月18日 |
| 栃木 | 1,125円 | 10月1日 |
| 群馬 | 1,120円 | 10月3日 |
| 埼玉 | 1,196円 | 10月1日 |
| 千葉 | 1,195円 | 10月1日 |
| 東京 | 1,280円 | 10月1日 |
| 神奈川 | 1,279円 | 10月1日 |
| 新潟 | 1,108円 | 10月1日 |
| 富山 | 1,119円 | 10月1日 |
| 都道府県 | 最低賃金 | 発効予定日 |
|---|---|---|
| 石川 | 1,113円 | 10月3日 |
| 福井 | 1,112円 | 10月4日 |
| 山梨 | 1,113円 | 11月1日 |
| 長野 | 1,117円 | 10月2日 |
| 岐阜 | 1,121円 | 10月1日 |
| 静岡 | 1,154円 | 10月15日 |
| 愛知 | 1,195円 | 10月1日 |
| 三重 | 1,143円 | 10月1日 |
| 滋賀 | 1,136円 | 10月3日 |
| 京都 | 1,180円 | 11月16日 |
| 大阪 | 1,231円 | 10月1日 |
| 兵庫 | 1,172円 | 10月1日 |
| 奈良 | 1,107円 | 10月4日 |
| 和歌山 | 1,101円 | 10月3日 |
| 鳥取 | 1,090円 | 10月3日 |
| 島根 | 1,092円 | 10月10日 |
| 都道府県 | 最低賃金 | 発効予定日 |
|---|---|---|
| 岡山 | 1,104円 | 10月2日 |
| 広島 | 1,141円 | 10月11日 |
| 山口 | 1,101円 | 10月8日 |
| 徳島 | 1,103円 | 11月1日 |
| 香川 | 1,092円 | 10月1日 |
| 愛媛 | 1,093円 | 11月1日 |
| 高知 | 1,086円 | 10月29日 |
| 福岡 | 1,114円 | 10月4日 |
| 佐賀 | 1,095円 | 11月15日 |
| 長崎 | 1,087円 | 11月2日 |
| 熊本 | 1,092円 | 12月1日 |
| 大分 | 1,096円 | 11月1日 |
| 宮崎 | 1,085円 | 10月24日 |
| 鹿児島 | 1,090円 | 10月25日 |
| 沖縄 | 1,086円 | 12月2日 |
※答申公示後の異議申出の状況等により、発効日は変更となる可能性があります。
出典:厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」(2026年9月3日公表)
最低賃金はパート・アルバイトだけではありません
ここは毎年ご相談が多いところです。
最低賃金は、「時給で働くパート・アルバイトだけの話」ではありません。
正社員、契約社員、パート、アルバイトなど、雇用形態にかかわらず適用されます。
そのため、月給制の正社員についても、最低賃金を下回っていないか確認する必要があります。
特に基本給が低く、各種手当を多く支給している会社は注意してください。
月給制の場合はどうやって確認する?
月給制の場合は、単純に基本給の金額だけを見て判断するわけではありません。
基本的には、最低賃金の対象となる賃金を1か月平均所定労働時間で割って、時間額へ換算して確認します。
例えば、
月給制の確認例
190,000円 ÷ 170時間 = 約1,117円
となります。
仮に埼玉県の事業所であれば、新しい最低賃金1,196円を下回るため、賃金の見直しが必要になります。
「月給だから最低賃金は関係ない」ということはありません。
すべての手当を最低賃金の計算に入れられるわけではありません
もう一つ注意したいのが、最低賃金を確認するときに算入できる賃金です。
毎月給与として支払っているものでも、すべてを最低賃金の計算に含められるわけではありません。
例えば、
などは、最低賃金との比較から除外されます。
「手当まで含めれば最低賃金を超えているから大丈夫」
と思っていたところ、実際に計算すると最低賃金を下回っていたということもあります。
給与体系が複雑な会社ほど、一度確認しておいた方がよいでしょう。
固定残業代がある会社は特に注意
固定残業代を導入している会社も注意が必要です。
例えば、
という給与の場合、
「23万円支払っているから最低賃金は大丈夫」とは判断できません。
固定残業代は時間外労働等に対して支払う賃金ですので、最低賃金を確認するときには切り分けて考える必要があります。
特に近年の最低賃金の大幅な引上げによって、数年前に作った給与体系が最低賃金ギリギリになっているケースもあります。
固定残業代を採用している会社については、基本給と固定残業代の内訳を含めて確認することが重要です。
最低賃金が変わるのは「給与支払日」ではありません
実務上、間違いやすいのが最低賃金の切替時期です。
最低賃金は、「給与をいつ支払うか」ではなく、いつ働いたかで考えます。
例えば埼玉県では、2026年度の最低賃金は10月1日から1,196円となる予定です。
9月16日~10月15日勤務分を10月25日に支払う会社であれば、
というように考える必要があります。
給与の締日が月末ではない会社は特に注意しましょう。
賃上げに使える助成金も確認しましょう
最低賃金の引上げに伴って賃金を引き上げる会社については、業務改善助成金などを利用できる可能性があります。
業務改善助成金
業務改善助成金は、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上につながる設備投資などを行った場合に、その費用の一部が助成される制度です。
単に賃金を上げるだけで終わらせず、設備投資や業務効率化と一緒に進められないか確認してみるのもよいでしょう。
まとめ
2026年度も最低賃金が大きく引き上げられます。
最低賃金への対応は、単なる給与計算の問題ではありません。
最低賃金の上昇に合わせて既存社員との給与バランスが崩れたり、求人時給を見直す必要が出てきたりすることもあります。
社会保険労務士渡邉事務所では、最低賃金の確認だけでなく、給与体系・固定残業代の見直し、賃金改定、採用時の給与設定、助成金の活用などについてもご相談を承っております。
「自社の給与が最低賃金を下回っていないか確認したい」「最低賃金の引上げに合わせて給与体系を見直したい」という場合は wedэлийн、お気軽にご相談ください。
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