【採用内定取り消し】企業側が取り消し前に知っておくべき5つのポイント

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企業が知っておくべき採用活動

夏は新卒・中途を問わず、企業の採用活動が本格化する時期。インターンからの内定出しや、秋入社に向けた内定通知などで人事担当者の皆さまもお忙しいのではないでしょうか?


そんな中、「思った人物像と違った…」「経営的に予定していた採用が難しくなった…」といった理由で “内定取り消し” を検討するケースもあるかもしれません。
しかし、安易な内定取り消しは法的リスクを伴う重大事項です。

今回は、企業が押さえておきたい「内定取り消し」の注意点を、社労士の視点からわかりやすく解説します。

採用時に知っておくべきポイント5つ

採用内定は「労働契約」扱いになる!

内定通知書を発行し、入社日が確定している場合、「始期付解約権留保付労働契約」とみなされます。
法的には、すでに労働契約が成立している状態であり、自由に取り消すことはできません。

内定取消には「客観的合理性」と「社会通念上の相当性」が必要

判例でも、企業が内定を取り消すには正当な理由が求められています。例えば以下のような事由は正当とされやすいですが、慎重な判断が必要です。

内定取消の理由 正当性の有無

  • 学歴や経歴の重大な詐称 ○ 正当性あり
  • 犯罪歴などの重大な素行不良 ○ 正当性あり
  • 経営悪化による採用枠削減 △ 要慎重判断
  • 病気やケガによる就労不能 △ ケースバイケース
  • 性格が合わなそう等の主観的理由 × 正当性なし

内不当な内定取消は損害賠償のリスクも

実際の損害として、引越し費用・アルバイト退職・留年・精神的苦痛などが認められるケースあり。
判例では、数十万円~100万円以上の損害賠償が命じられた事例も。

内定を取り消す場合の実務対応

  • 取消理由の明確化(書面化)
  • 本人への丁寧な説明・面談
  • 書面での通知(内容証明郵便が望ましい)
  • 必要に応じて、謝罪・補償の検討
  • 社労士や弁護士への事前相談

トラブルを防ぐために企業ができる具体策5選

01.内定通知書には「留保条件」を明記する

例:「健康診断において重大な異常が認められた場合は、内定を取り消すことがあります」条件付きである旨を文面で明記することで、トラブル時のリスクを軽減。

02.面接・選考時の記録を残しておく

書類や面談メモ、評価シートなどをしっかり残しておくことで、内定取消の判断を説明しやすくなる。特に「経歴詐称」や「面接時の虚偽申告」等が発覚した場合に重要。

03.採用基準・選考過程を明文化しておく

採用後のトラブルの大半は「主観的な判断」で起きる。業務遂行に必要なスキルや条件を事前に社内で定めておくことで、透明性と防御力が上がる。

04.試用期間を活用する

入社後すぐに解雇するのではなく、「一定期間の勤務状況を見て判断する」ことで企業も慎重に適性を見極められる。ただし、試用期間中でも解雇には正当な理由が必要です。

05.社労士や弁護士への事前相談をルール化

内定取消や雇用契約に関する判断は、法律の専門知識が必須。「取消を決める前に専門家に確認する」ことを、社内フローとして決めておきましょう。

採用に関するお困りごとは専門家へご相談を!

採用内定の取り消しは、企業にとって法的・社会的リスクが大きい判断です。
「慎重に検討し、万が一行う際は必ず専門家に相談」これがトラブル回避の鉄則です。

社会保険労務士渡邉事務所は、企業様のご状況に合わせたサポートをするように努めております。助成金申請などの業務のほかに経営において、お困りごとを解決できるような動きもしております。

採用の取り消しなどでお困りの際には、さいたま市にある社会保険労務士渡邉事務所へ一度ご相談ください。

この記事を書いた人

社会保険労務士 渡邉事務所
渡邉拓弥

渡邉事務所代表。さいたま市を中心に助成金申請・労務管理・就業規則・障害年金など中小企業をサポート。

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