「退職給付金が増える?」という広告にご注意ください

正しい制度理解と冷静な判断を

最近、SNSやインターネット広告で
「退職給付金が増える」「申請サポートで受給額アップ」
といった表現を目にする機会が増えています。

退職後の生活に不安を感じる方にとって、こうした広告は非常に魅力的に映るかもしれません。

しかし、公的給付制度には法律上の明確な要件があり、原則として手続きを代行すれば増えるという性質のものではありません。

ここでは、制度の基本と、注意すべきポイントを整理いたします。


目次

そもそも「退職給付金」とは何か

広告で使われている「退職給付金」という言葉は、公的制度上の正式名称ではありません。

多くの場合、以下の制度をまとめて表現している可能性が高いです。

・雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)
・健康保険の傷病手当金
・受給期間延長制度
・労災保険給付

これらはそれぞれ要件や計算方法が異なります。

支給額や期間は、法律に基づき賃金額や加入期間、離職理由などによって決まります。

「誰でも増える」「確実に受給額が上がる」といった一律の説明ができる制度ではありません。


注意したいポイント

以下のような特徴がある場合は、慎重な判断が必要です。

・「最大〇〇万円」「誰でも対象」など断定的な表現
・「こういう理由で辞めれば有利になる」といった助言
・具体的な資格者情報や会社情報が不明確
・解約時に高額な違約金が発生する契約内容
・契約を急がせる対応

もちろん、適法に情報提供や手続き支援を行っている事業者も存在します。しかし、内容を十分に確認せず契約すると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。


公的給付制度の基本的な考え方

公的給付制度は「要件に該当するかどうか」で判断されます。

例えば、

・本当に就労できない状態か
・離職理由は客観的事実と一致しているか
・医師の診断内容は実態と合っているか

など、事実関係が重視されます。

仮に事実と異なる申告を行った場合、不正受給と判断される可能性もあります。不正受給となれば、返還や追加徴収などの問題が生じることもあります。

制度は生活を支える大切な仕組みです。だからこそ、正しい理解と適切な手続きが重要です。


契約前に確認したいチェックリスト

広告や勧誘を受けた際は、次の点を確認してください。

□ 会社名・所在地・代表者・資格者情報が明確か
□ 契約書の内容(役務範囲・解約条件・違約金)が具体的に記載されているか
□ 成果保証や過度な金額保証をしていないか
□ 公的機関での相談を否定していないか
□ 「この通りに言えば通る」といった指示がないか

一つでも不安がある場合は、契約を急がず、第三者に相談することをおすすめします。


企業側としての注意点

会社としても、従業員から相談を受ける場面があるかもしれません。

その際は、

・離職理由は事実に基づき記載する
・制度利用について不適切な助言をしない
・必要に応じて専門家や公的機関の案内を行う

といった冷静な対応が重要です。

会社が制度利用を誘導したと誤解されると、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。


不安を感じたら、まずは正確な情報を

退職後の生活設計に不安を感じることは自然なことです。

しかし、公的給付制度は本来、正当な要件を満たす方を支えるためのものです。

インターネット広告の情報だけで判断せず、ハローワークや年金事務所などの公的窓口、または専門家へ相談することで、正確な情報を得ることができます。


社会保険労務士渡邉事務所では

社会保険労務士渡邉事務所では、企業側の立場から、退職・離職に関わる労務対応を総合的にサポートしております。

近年、従業員がインターネット広告等の情報をきっかけに、給付制度について会社へ相談してくるケースも増えています。その際、企業としてどのように説明し、どこまで関与すべきか判断に迷うことも少なくありません。

当事務所では、

・離職理由の整理と適切な記載サポート
・雇用保険手続きの適法な対応
・従業員からの制度相談への対応方針の整備
・不適切な申告リスクへの予防策
・トラブル発生時の労務対応支援

まで、企業リスクの観点からアドバイスを行っております。

公的給付制度は従業員を守る制度であると同時に、企業側にも一定の対応責任が伴います。

インターネット上の情報に振り回されることなく、法令に基づいた適切な対応体制を整えることが、結果として企業を守ることにつながります。

実務に即した具体的な対応支援を行っておりますので、対応に迷われた際はご相談ください。

サービスに関するご相談・お見積りのご依頼は
下記より気軽にお問合せください

「退職給付金が増える」という広告は本当にある制度ですか?

公的制度に「退職給付金」という正式名称はありません。多くは雇用保険や傷病手当金などをまとめて表現しているケースです。内容を正確に確認することが重要です。

従業員から「この理由で辞めれば有利になる」と相談された場合、どう対応すべきですか?

会社として特定の申告内容を勧めることは避け、事実に基づいた離職理由の記載を徹底することが重要です。判断に迷う場合は専門家に相談することをおすすめします。

会社が従業員の給付申請に関与すると問題になりますか?

制度の説明自体は問題ありませんが、不適切な申告を助長するとリスクが生じます。会社は中立的かつ法令に基づいた対応を行う必要があります.

不正受給が発覚した場合、企業側に影響はありますか?

ケースによっては、会社の関与が疑われることもあります。離職理由の記載や証明書の発行は慎重に行う必要があります。

企業として事前に備えることはありますか?

離職理由の整理基準を明確にし、退職時の面談記録を残すことが重要です。また、給付制度に関する問い合わせ対応方針を定めておくとリスク管理につながります。

この記事を書いた人

社会保険労務士 渡邉事務所
渡邉拓弥

渡邉事務所代表。さいたま市を中心に助成金申請・労務管理・就業規則・障害年金など中小企業をサポート。

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