問題社員への注意指導は「何を残すべきか」社労士が徹底解説

後で揉めないための記録の残し方

「何度も注意しているのに改善しない」
「口頭で指導しているが、記録は残していない」
「いざ解雇や退職勧奨となったとき、証拠がない」

問題社員対応で最も多い失敗は、記録がないことです。

会社としては指導しているつもりでも、後から労働審判やあっせんになった場合、
「指導した証拠はありますか?」と問われます。

そこで重要になるのが、注意指導の記録化です。

今回は、問題社員対応で「何を残すべきか」を整理します。


目次

1|なぜ記録が重要なのか

解雇や懲戒処分が有効と認められるためには、

・客観的事実
・指導や改善機会の付与
・相当なプロセス

が必要です。

会社側が「何度も注意した」と主張しても、
証拠がなければ認められにくいのが現実です。

記録は、会社を守るための防御資料です。


2|まず残すべきもの「事実」

最初に重要なのは、評価ではなく事実の記録です。

例えば、

悪い例
「勤務態度が悪い」
「やる気がない」

これでは抽象的すぎます。

良い例
「〇月〇日 9時出勤予定が9時25分出勤(事前連絡なし)」
「〇月〇日 顧客から『対応が高圧的』とのクレームが入る」
「〇月〇日 業務指示を拒否し、30分間業務停止」

日時・場所・内容を具体的に残します。

感情や印象ではなく、事実の積み重ねが重要です。


3|次に残すべきもの「指導内容」

問題行為だけでなく、

・いつ
・誰が
・どのような内容で
・どのように改善を求めたか

を残します。


「〇月〇日、上司Aが遅刻について口頭注意。次回遅刻時は始末書提出と説明。」

可能であれば、指導書や注意書を交付し、写しを保管します。


4|改善機会を与えた記録

解雇や重い処分を行う場合、

「改善の機会を与えたか」が非常に重要になります。

・改善目標を示した
・期限を設定した
・面談を実施した
・再指導を行った

これらを時系列で残します。

「いきなり解雇した」と見られないようにすることが大切です。


5|面談記録はどう残すべきか

面談時のポイントは、

・日時
・出席者
・本人の発言内容
・会社の指導内容
・本人の反応

を簡潔に記録することです。

できれば本人に確認の署名をもらうとより強い証拠になります。

ただし、署名を拒否された場合でも、
会社側の記録は必ず残してください。


6|メール・チャットも証拠になる

最近は、

・業務指示メール
・注意喚起のチャット
・顧客からのクレームメール

も重要な証拠になります。

削除せず、保存ルールを決めておくことが重要です。

特にパワハラを主張されるケースでは、
やり取りの全文保存が防御資料になります。


7|やってはいけない記録の残し方

注意したいのは、感情的なメモです。

「本当に使えない」
「もう辞めてほしい」

このような表現は、逆に会社側に不利に働きます。

記録は常に冷静・客観的に。
第三者が読んでも理解できる文章で残すことが重要です。


8|最終的に守るべき流れ

問題社員対応で会社を守る流れは次の通りです。

1.問題行為の事実記録
2.注意・指導の実施
3.改善機会の付与
4.再発の記録
5.段階的処分

このプロセスが整っていれば、
解雇や退職勧奨の正当性が認められる可能性が高まります。


まとめ

問題社員対応で最も重要なのは、
「何を言ったか」ではなく、「何を残したか」です。

事実
指導内容
改善機会
面談記録

これらを積み重ねることで、会社は守られます。

感情で動くのではなく、
記録で動くことが、労務トラブル回避の基本です。


問題社員対応は、記録だけの問題ではありません。

就業規則の整備
懲戒規定の設計
指導書式の作成
退職勧奨の進め方
労働局あっせん対応

すべてが連動します。

社会保険労務士渡邉事務所では、
初期段階の指導設計から、トラブル発生時の対応まで一貫してサポートしております。

「この対応で大丈夫か?」という段階からご相談可能です。

問題社員対応は、早めの整備が最大のリスク対策になります。

サービスに関するご相談・お見積りのご依頼は
下記より気軽にお問合せください

問題社員への注意は口頭だけでも大丈夫ですか?

口頭だけでは不十分です。後から「聞いていない」と言われる可能性があります。日時・内容・指導者を記録に残すことが重要です。

どんな内容を記録しておくべきですか?

事実(日時・具体的行為)、指導内容、改善を求めた点、本人の反応を残します。抽象的な評価ではなく、客観的事実を記録することが大切です。

面談記録は作成した方がいいですか?

はい。面談日時、出席者、指導内容、本人の発言を簡潔にまとめておきましょう。可能であれば本人の署名をもらうとより有効です。

メールやチャットも証拠になりますか?

なります。業務指示や注意の履歴、クレームメールなどは重要な証拠になりますので、削除せず保存しておきましょう。

記録がないとどうなりますか?

解雇や懲戒処分が無効と判断されるリスクが高まります。会社側が「何度も指導した」と主張しても、証拠がなければ認められにくいのが実務の現実です。

この記事を書いた人

社会保険労務士 渡邉事務所
渡邉拓弥

渡邉事務所代表。さいたま市を中心に助成金申請・労務管理・就業規則・障害年金など中小企業をサポート。

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