退職勧奨の進め方 社労士が徹底解説

トラブルにならないための実務手順と注意点

従業員対応の中で、「解雇までは避けたいが、このまま雇用を続けるのは難しい」という場面は少なくありません。

このような場合に選択されるのが退職勧奨です。

退職勧奨とは、会社から従業員に対して退職を提案し、合意により雇用契約を終了させる方法です。

解雇とは異なり、あくまで「合意」が前提となるため、進め方を誤るとトラブルに発展する可能性があります。

本記事では、企業が押さえるべき退職勧奨の実務手順を整理します。


目次

退職勧奨とは

退職勧奨は、会社が一方的に雇用契約を終了させる解雇とは異なり、

従業員の同意に基づいて退職してもらう方法です。

そのため、

・強制はできない
・最終的な判断は本人にある

という点が大きな特徴です。


STEP1|事前準備(ここで8割決まる)

退職勧奨は準備が非常に重要です。

・問題の内容の整理
・これまでの指導履歴
・勤怠や業務の記録
・就業規則の確認

これらを事前に整理しておきます。

準備が不十分なまま進めると、説得力を欠き、合意に至らない可能性があります。


STEP2|面談の設定

面談は、落ち着いて話ができる環境で行います。

・個室で実施する
・複数名(上司・人事など)で対応する
・記録を残す

ことが重要です。

また、威圧的な雰囲気にならないよう配慮が必要です。


STEP3|事実の説明

面談ではまず、これまでの事実を整理して伝えます。

・勤務状況
・業務上の問題
・これまでの指導内容

この際は、

感情ではなく事実ベースで説明することが重要です。


STEP4|会社の判断を伝える

次に、

「このまま雇用を継続することが難しい」

という会社の判断を伝えます。

ただし、ここで重要なのは、

解雇をちらつかせて強制しないことです。

あくまで、

「退職を検討してほしい」という提案にとどめます。


STEP5|条件提示(合意形成のポイント)

退職勧奨では、条件提示が重要になります。

例えば、

・退職時期の調整
・有給休暇の消化
・解決金の支給(ケースによる)
・円満退職の扱い

などです。

企業側としては、どこまで譲れるか事前に整理しておく必要があります。


STEP6|検討期間の付与

その場で結論を求めるのは避け、

検討期間を設けることが重要です。

・数日〜1週間程度
・家族と相談する時間を確保

これにより、強制と判断されるリスクを下げることができます。


STEP7|合意内容の書面化

退職に合意した場合は、

・退職届
・合意書

などで内容を明確にします。

特に、

・退職日
・条件
・今後のトラブル防止

を明確にしておくことが重要です。


やってはいけない退職勧奨

退職勧奨が違法と判断される典型例です。

・長時間の面談を繰り返す
・退職しないと不利益があると示唆する
・人格を否定する発言
・大人数で圧力をかける

これらは「強要」と判断される可能性があります。


退職勧奨と解雇の違い

退職勧奨
→ 合意による終了

解雇
→ 会社の一方的判断

そのため、退職勧奨はリスクを抑えやすい一方、合意できなければ成立しません。


まとめ

退職勧奨は、適切に進めれば有効な手段ですが、進め方を誤るとトラブルの原因となります。

重要なのは次のポイントです。

・事前準備
・事実ベースの説明
・強制しない姿勢
・検討期間の付与
・書面化

この流れを守ることで、リスクを大きく下げることができます。


社会保険労務士渡邉事務所では

社会保険労務士渡邉事務所では、企業の従業員対応について実務支援を行っています。

退職勧奨の進め方の設計
面談対応のアドバイス
条件設定の整理
トラブル防止の書面整備

など、企業側の立場からリスクを抑えた対応をサポートしております。

退職勧奨は初動が非常に重要です。
判断に迷われた段階でのご相談をおすすめいたします。

サービスに関するご相談・お見積りのご依頼は
下記より気軽にお問合せください

退職勧奨は断られた場合どうなりますか?

退職勧奨はあくまで合意が前提のため、本人が拒否すれば成立しません。その場合は引き続き雇用を継続するか、別途対応を検討する必要があります。

解雇を伝えながら退職勧奨をするのは問題ありませんか?

強く解雇を示唆しすぎると「強要」と判断される可能性があります。あくまで退職の提案として伝えることが重要です。

退職勧奨は何回まで行ってもよいですか?

明確な回数制限はありませんが、長時間・繰り返しの面談は違法と判断されるリスクがあります。短時間かつ適切な回数にとどめることが重要です。

退職勧奨の際に金銭を提示する必要はありますか?

必須ではありませんが、円満な合意を得るために解決金を提示するケースもあります。状況に応じて慎重に判断する必要があります。

退職勧奨で合意した内容は書面にした方がよいですか?

必ず書面化すべきです。退職日や条件を明確にしておくことで、後のトラブル防止につながります。

この記事を書いた人

社会保険労務士 渡邉事務所
渡邉拓弥

渡邉事務所代表。さいたま市を中心に助成金申請・労務管理・就業規則・障害年金など中小企業をサポート。

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