労務管理

労務管理とは

労務管理とは、従業員の雇用・労働条件・勤務状況・安全衛生などに関する管理全般を指します。企業が従業員に安心して働いてもらい、生産性を高めるうえで欠かせない取り組みです。

労務管理の主な項目

01.採用・雇用契約の管理

  • 雇用形態(正社員・契約社員・パートなど)の適正な選定
  • 雇用契約書・労働条件通知書の発行
  • 試用期間の設定や社内規定との整合性

02.就業規則・社内規程の整備

  • 常時10人以上の事業場は就業規則の届出義務あり
  • 36協定(時間外労働に関する協定)の作成と労基署提出
  • 労働条件変更時の手続き・通知義務

03.勤怠管理

  • 出勤・退勤・残業・休日労働・有休の適正把握
  • タイムカードや勤怠システムの活用
  • 残業の事前承認フロー・36協定上限の遵守

04.賃金・残業代の管理

  • 基本給・手当・割増賃金などの内訳明確化
  • 未払い残業代は労務トラブルの代表例
  • 毎月の給与計算と法定控除の適正処理(社会保険・所得税等)

05.社会保険・労働保険の手続き

  • 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の適正加入
  • 入退社・育休取得時などの保険手続き対応
  • 年に一度の年度更新・算定基礎届の対応

06.安全衛生管理

  • 労働安全衛生法に基づく義務(産業医選任、衛生委員会等)
  • ストレスチェックの実施(従業員50名以上)
  • 長時間労働による健康障害の予防と対応

07.メンタルヘルス・ハラスメント対策

  • 職場のハラスメント防止措置(パワハラ・セクハラ・マタハラ等)
  • 相談窓口の設置と対応マニュアル整備
  • 休職・復職の制度設計と対応フローの整備

労務管理が重要な理由

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観点内容
法令遵守(コンプライアンス)労働基準法や社会保険関連法の違反リスクを防止できる
組織の安定性トラブル防止、定着率向上、生産性向上に貢献
助成金活用の前提適正な労務管理が助成金の支給条件となっていることが多い
企業の信頼性求人応募数の増加・取引先との信頼強化にもつながる

労務トラブルの典型例と予防策

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トラブル事例原因予防策
未払い残業代の請求勤怠管理が不十分/残業の承認制が形骸化勤怠システム導入・残業の事前申請フローを徹底
不当解雇の訴え解雇理由の不明確・懲戒処分の手続きミス就業規則に基づいた適正な手続きの実施
労災申請・安全配慮義務違反の訴訟過重労働や安全配慮の欠如衛生管理体制の強化、産業医の関与
ハラスメント被害の訴え上司・同僚による発言や行動の放置相談体制・研修・防止規程の明文化

社労士に依頼するメリット

最新の法改正に基づく労務体制の見直し

就業規則・労務規程の整備支援

労基署調査・是正勧告への対応サポート

労働トラブルの予防・解決のアドバイス

社会保険や雇用関連手続きの代行・自動化提案